ゴールデンウィーク中の本屋さんで
たまたま目にして&手にとって、
「これだ!」と思って買った本。

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どちらも講談社ブルーバックス
どちらも日本における計画技法に関する
第一人者である加藤昭吉氏の著書。

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計画の科学
 どこでも使えるPERT・CPM

初版が1965年、私が生まれる前。
その当時の表現方法で書かれているので
読みにくく、パラ読みで終わり(苦笑)
それでも、PERTなどの計画手法を
知るには良い機会でした。

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計画力」を強くする
 あなたの計画はなぜ挫折するか

読んでいて、頭にビシ!バシ!っと来ました。

まず「計画力」とは、構想を実現するため
どのように計画するかという「思考力」と、
その計画を遂行する「実行力」を総合した力
で、それは人間独自の力だとしています。

その上で副題となっている項目を分析。


【あなたの計画が失敗する9つの理由】
(各項目と一部に要約を付記してます)

<計画の立案段階での理由>

1.計画の目的・目標がはっきりしていない

  欧米の狩猟民族では目的意識が高く、
  日本の農耕民族が「とりあえず」を
  口癖に、目的意識を希薄化していると。

  後の章で、目的・目標を扱うポイントで
  「計画の目的・目標を明確にする」
  「目的・目標と手段を取り違えない」
  「目標に期限を設定する」をあげています。


2.頭の中だけで組み立てた計画になっている


3.状況判断を誤っている

  この中で「状況の三重構造」をあげ、
  それはまるで経営における
  「顧客観」「競観」「主観」の三観に
  似た解釈となっています。


4.目先の問題解決を積み重ねただけの
  計画になっている

  日本的計画立案法として、当面の問題に
  1つずつ対応し、それを積み上げる
  というやり方を紹介していますが、
  これは本質的な問題が置き去りになり
  部分的で勝っても全体で負けてしまうと。

  ・部分的な勝ち方=戦術思考
  ・全体的な勝ち方=戦略思考


  故に、竹田先生の著書である
  『なぜ、「会社の数字」は
     達成されないのか?
  の3ヶ月毎の実行計画は、戦術思考?
  だから、この本で実行計画を作成できても
  大局観がなければ、1年計画、3年計画に
  落とし込めず、バタビンに終わってしまう
  恐れがあるとも読み取れます。


5.複数の計画案の中から選び抜かれていない

  最初から「一点集中」として、1つしか
  計画を作成するのではなく、いくつか
  思索をした上で絞り込む大切さを説明。
    


<計画の実行段階での理由>

6.計画通りに実行する熱意に欠けている

  計画の実行力は「思いの強さ×時間」だと。


7.計画実行の勘所をはずしている

  この辺りは、竹田ビジネスモデルの
  ウエイト付けにも通じる考え方です。


8.“終わり”からの逆算ができていない

  欧米(特にキリスト教)に見られる
  「最後の審判」という「終わり」の概念
  に対し、日本は「時間は無限」という
  感覚が時間予算という概念の欠如に。
  竹田先生が言う「時は経費なり」に同じ。


9.計画の適切なフォローアップが
  できていない


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何となく薄々は感じていましたが、
竹田先生自身は戦術思考の持ち主・・・

では決してなくて(失礼)、逆説的に
中小企業の経営者に分かりやすく
経営の説明をするには、戦術思考から
入っていかないと、その最初の段階で
拒否反応を示しかねないと〜納得でした。

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また「計画をどのように実行するか」の途中で、
ドラッカー先生の著書「未来への決断」の引用で、


「大統領になるための六つのルール」の中で、
「細かいマネジメントにタッチしてはならない」
 とのことで
「やらなくてもいいことは、
 実は大統領がやってはならないこと」と。


これなど、ランチェスター経営(株)の教材
独立起業の成功戦略」などにある
「組織戦略」でも触れられている、


いつの段階で、社長は社長でしか
 出来ない仕事に専念できるか


に通じる内容です。

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ブルーバックスなのでパラパラと手軽に
読めますが、後で精読したくなります。

竹田先生が「経営理念」と「経営」と
「理念」とに分けて解説するように、
「経営計画」を「経営」と「計画」とに
分けて考えるとき、その「計画」に関して
ヒントを与えてくれる本です。