「財務戦略」マラソンを開催している頃、
少し触れましたが、「財務戦略」DVD
竹田先生が「第4章 弱者の資金配分」
として、各業種・業界での倒産会社の
資金構造(財務分析)をご紹介してます。

ほとんどの倒産会社が、


・自己資本が少ない
・自己資本比率が低い
・固定比率が高い


状態で「資金繰りで多忙」と烙印されてます。
それに続いて、


法人業歴が15年以上になり、
資金の構造が倒産会社に近かったら、
その後10年経っても、
これが直る見込みは少ない。
もちろん、それまでに
倒産しないことが条件。

社長の経営に対する価値観は、
結局、数字に出てくる
社長の性格は、そう簡単には変わらない。
社長が雷に打たれたり、高圧電流に触れて
「記憶を喪失」すると変わることもあるが、
こうなることは滅多にない・・・


と、締めは辛口。

★特に、自己資本に関しては、
 旧版の「財務戦略」CDで、
 長々と辛口で解説されていました。
 本当に長いので(苦笑)最後にご紹介↓

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また【久留米】ランチェスター戦略☆社長塾
に、昨日ご参加いただいた
税理士の方からコメントで、


「よその税理士事務所から
 移ってきた会社の社長は
 B/S(貸借対照表)に
 関する考え方・取り組み方が
 全く出来ていない」

「特に創業社長だと、
 開業資金が入ってきた途端、
 まるで自分のお金と思って、
 すぐにイイ車に化ける


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なるほど〜帳簿屋に成り下がった税理士事務所
では、社長の言われるがママに処理をして、
指導的な立場になどなれないんでしょう。
その対応が、ヒヨコの刷り込みと同様に、
社長の価値観に刷り込まれるんでしょう。

このように、開業時に接する税理士により、
社長の経営に関する価値観が左右される、
恐ろしくもあります。

たとえ、その社長や税理士までもが、
ドラッカー先生の本を読んでいて、
「経営の目的は顧客の創造」と知っていても
実際に持った価値観が上記のようであれば、
結果的に「利益の追求」を目的としてしまう。

その上で、「利益=お金」とまで発展して、
税金を払うよりは、車や無駄な設備投資で
私欲を肥やすことに目を向けるようになる。

悪循環です。
やはり最初が肝心ですね。

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良い話しを有り難うございました。
やはり、創業支援はTKC会計人
(お世話になりましたので、少しはPR・笑)


◆自己資本の蓄積

◇自己資本の蓄積は社長の心構えを示す物的証拠

 経営に必要な資金を、外部からばかり
 調達していたのでは、借金コンクリート
 の会社になり、やがて経営が行き詰まる
 ことは目に見えています。
 経営を永続させるには、会社自身の貯金、
 つまり自己資本を徐々に増加させて、
 資金面の安定をはかる必要があります。

 業歴は40年も45年もありながら、
 従業員1人当たりの自己資本が
 600万円以下という会社は、
 少なくありません。
 会社の将軍である社長が、自己資本の
 蓄積を本気で考えていないから、
 結果としてそうなってしまうのです。

 つまり自己資本がどうなるかは、
 社長の心構えによって決まるのです。
 事業を、一代限りで終える生業なら
 別ですが、長く続ける予定があるなら、
 長期目標で自己資本の蓄積計画を立てて、
 それを実行しなくてはなりません。


◇弱者は外見にとらわれず合理主義に徹せよ

 自己資本を多くするためには、経費を
 節約してそれほど必要でないものには、
 金をかけないようにしなければなりません。

 しかし、それを難しくしているのが、
 人間の「自尊本能」なのです。
 これは自分の格好の良いところを
 他人に見せつけて、自己の重要感を
 満たそうとする強い欲求です。

 自己の重要感を満たそうとする自尊欲求は、
 やる気の源になることもありますから、
 一概に悪いこととは言えません。

 しかし度を過ぎると、社長個人のことと
 会社の仕事とを混同してしまいます。
 会社の財務内容は番外弱者であるのに、
 社長個人がエエカッコをしようとして
 資金を浪費したり、強者の戦略を実行して
 重装備な運営をすると、いつまで経っても
 自己資本が貯らないばかりか、
 財務内容も当然、狂ってきます。

 その一つのあらわれが広告です。

 業種によっては、広告を全く必要としない
 のに、デカデカと広告を出している会社を、
 たまに見受けます。
 当の社長は、経営に間接的に役立つと
 思っているようですが、広告は強者の戦略で
 あって、弱者の戦略ではありませんから、
 特別な場合を除いて広告の使用は
 やめるべきなのです。
 
 その他に、事務所に金をかけ過ぎたり、
 能力以上に良い車を持ち過ぎたりすると、
 資金が固定化するばかりか、経費も
 かさみますので、それだけ利益が少なくなり、
 自己資本も貯らなくなるのです。


(ここの部分↑別の項目では↓ここまで言及)


 「税金がもったいない」とか、
 「税金がばからしい」とか言って、
  良い車に買い替えたり、
  社長室を立派にしたり、
  必要でもない広告を出したりして、
  ムダ使いをするのです。
  これでは、いつまで経っても、
  自己資本の貯金は多くなりません。
 
 社長は、外見や見栄に「自尊本能」を
 求めるのではなく、経営内容を良くする
 ことに「自尊本能」を発揮すべきです。
 ですから社長は、自己資本比率及び
 1人当たりの自己資本額が、
 業界のトップ・クラスに達するまでは、
 会社にとって「真に役立つこと」以外
 には金を使わないという、
 固い決心をしなければなりません。

 「真に役立つこと」とは、お客との関係を
 よくすることや、競争相手との関係を
 有利にする仕掛のことです。

 一つ一つで見るとたいしたことではない
 ように思えても、それが7年10年と続くと、
 大きな金額になってしまうのです。

 財務戦略の善し悪しは、1にも2にも
 自己資本によって決まりますから、
 景気が良くて利益が多く出ているときでも、
 調子に乗らずグッ!と我慢して、
 1人当たりの自己資本で地元ナンバーワンに
 なることを目指してください。

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*旧版の「財務戦略」CDより
 一部加筆して引用。