先日の西日本新聞・夕刊<論 2012>に、
江戸文化研究の第一人者である
法政大学社会学部教授の田中優子氏が、
「西鶴から考える豊かさ/お金で買えないもの」
として、井原西鶴の作品から16篇を選んで
江戸時代の人が「お金」や「仕事の基本」を
どう考えていたかを、この4月に集英社から
「世渡り 万(よろず)の智慧袋」
(写真の表紙は↑別の本です)
として本にまとめると紹介されていた。
初のビジネス書らしいです。
コメントの一部を抜粋すると・・・
『西鶴は物語の中で、商品の偽装や詐欺商品に
怒っている。それだけでなく、禄(給料)を
親から受け継ぐだけの武士の生き方を
「人間として本意ではないはずだ」
とも書いている。金さえあれば人間は幸せ、
という価値観はそこにはない。
これらの小説から浮かび上がってくるのは
金銭の力ではなく、知恵を絞り、機会をつかみ、
人が省みないことに注意を払い、懸命に生きる
人間たちの姿なのである。
たとえば、能力を全開して農業の技術革新や
さまざまな工夫をした九助という男がいた。
画期的な産業で多くの財産をつくって息子に
残し、亡くなった。死後、自分のために
ほとんど金を使わなかったことがわかる。
しかし幸せに人生を全うしたのだった。
それとは逆に、財産を受け継いだ息子は
その金で遊びまわった挙げ句、家族に
借金だけ残し、酒と女が原因で若死にする。
生涯働いて使わなかった人、遊んでばかりいて
使い果たした人、どちらが幸せだったのか?
西鶴の書き方では明らかに、前者なのである。
なぜなら人間にとって大事なのは仕事をすること
自体であり、他の人に役に立つことだからだ』
前半の武士は、まるで世にはびこる世襲議員に
似ていますし、後半の九助の息子は、未だに
多く見られる後継社長の成れの果てかも・・・
ご存じの方も多いでしょうが、竹田社長が
「日本の経営コンサルタント
その元祖は井原西鶴」
だと講演などで話をし、その代表作として
「日本永代蔵」を紹介してます。
しかし「日本永代蔵」は買っては見たモノの、
文語体で綴られているので、いつも読了まで
至らずに、趣味の積読に・・・(恥)
私のような人には、今回の田中優子氏の
「世渡り 万の智慧袋」はお勧めです。
(既に、amazonでも予約開始です)
なお、同じ井原西鶴でも好色一代男は読みました
が・・・もちろんこちらで。
(もっといかがわしい本もありますね)
江戸文化研究の第一人者である
法政大学社会学部教授の田中優子氏が、
「西鶴から考える豊かさ/お金で買えないもの」
として、井原西鶴の作品から16篇を選んで
江戸時代の人が「お金」や「仕事の基本」を
どう考えていたかを、この4月に集英社から
「世渡り 万(よろず)の智慧袋」
(写真の表紙は↑別の本です)
として本にまとめると紹介されていた。
初のビジネス書らしいです。
コメントの一部を抜粋すると・・・
『西鶴は物語の中で、商品の偽装や詐欺商品に
怒っている。それだけでなく、禄(給料)を
親から受け継ぐだけの武士の生き方を
「人間として本意ではないはずだ」
とも書いている。金さえあれば人間は幸せ、
という価値観はそこにはない。
これらの小説から浮かび上がってくるのは
金銭の力ではなく、知恵を絞り、機会をつかみ、
人が省みないことに注意を払い、懸命に生きる
人間たちの姿なのである。
たとえば、能力を全開して農業の技術革新や
さまざまな工夫をした九助という男がいた。
画期的な産業で多くの財産をつくって息子に
残し、亡くなった。死後、自分のために
ほとんど金を使わなかったことがわかる。
しかし幸せに人生を全うしたのだった。
それとは逆に、財産を受け継いだ息子は
その金で遊びまわった挙げ句、家族に
借金だけ残し、酒と女が原因で若死にする。
生涯働いて使わなかった人、遊んでばかりいて
使い果たした人、どちらが幸せだったのか?
西鶴の書き方では明らかに、前者なのである。
なぜなら人間にとって大事なのは仕事をすること
自体であり、他の人に役に立つことだからだ』
前半の武士は、まるで世にはびこる世襲議員に
似ていますし、後半の九助の息子は、未だに
多く見られる後継社長の成れの果てかも・・・
ご存じの方も多いでしょうが、竹田社長が
「日本の経営コンサルタント
その元祖は井原西鶴」
だと講演などで話をし、その代表作として
「日本永代蔵」を紹介してます。
しかし「日本永代蔵」は買っては見たモノの、
文語体で綴られているので、いつも読了まで
至らずに、趣味の積読に・・・(恥)
私のような人には、今回の田中優子氏の
「世渡り 万の智慧袋」はお勧めです。
(既に、amazonでも予約開始です)
なお、同じ井原西鶴でも好色一代男は読みました
が・・・もちろんこちらで。
(もっといかがわしい本もありますね)
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